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eラーニングプロジェクトマネジメントのベストプラクティス

原文「Best Practices for Effective E-Learning Project Management


eラーニングプロジェクトでの作業では、eラーニングの専門知識は必要スキルのほんの一部にしかすぎません。プロジェクトマネジメントスキルは、キックオフから最終的な納品まで、適切なペースでプロジェクトを期限内に完了させるために必要不可欠なスキルです。プロジェクトマネジメントの責任に対して巧みに対応することは困難なことですが、コースを成功させるには身につけておかなければなりません。マネジメントしやすくするために、eラーニングプロジェクトをスムーズかつ効果的に計画・実行するのに役立つ実用的なガイドラインをご紹介します。



プロジェクトを開始する


本当の担当者を見つける


最終的な権限を持っているのは誰で、その人の期待は何かを確認します。誰があなたの仕事の最終契約をしているのか、どの基準を満たす必要があるかを知る必要があります。これを前もって行うことが重要です。そうすることで、プロジェクトに関与していない人による最終レビューをむやみに行う必要がなくなるなど、コース開発に時間と無駄な費用をかけずに済みます。コースデザインに数週間を費やし、せっかくコースを配信する準備を整えた後に、「決裁者にコースをレビューしてもらいましょう」と言われることほど悪い状況はありません。



成功への共通理解を確立する


顧客の成功ビジョンというのは、顧客がプロジェクトをどのように判断するのか、そして顧客があなたに再び依頼するかに大きく関係してきます。eラーニングが適切なソリューションであることを顧客が同意したら、プロジェクト詳細を計画する前に、あなたと顧客がプロジェクトの成功を測定する共通方法を共有していることを確認する必要があります。


目標、スケジュール、成果物を顧客に詳しく説明し、シンプルでわかりやすいドキュメントを作成します。このステップは、最終的に、余分な作業、無駄なリソース、フラストレーションの削減に大きく役立ちます。それは顧客の利益と同じくらいあなたの利益のためでもあります。


この種のドキュメントには、プロジェクト中およびプロジェクト終了時のマイルストーンレビューにも役立つという二次的な利点もあります。



学習目標を明確にする


プロジェクトの目標を定義したら、次のステップは、それらの目標を達成するために必要な学習目標を特定するためにドリルダウンすることです。学習目標を定義すると、コースに含めなければならない内容がわかります。内容を吟味する1つの方法としては、次の3つの質問を考えることです。

  • 何を学ぶ必要がありますか?

  • 誰がそれを学ぶ必要がありますか?

  • 学習の前提条件は何か?


技術的な検討事項/問題を特定する


eラーニングプロジェクトにはさらに課題が伴います。コースは、他の既存アプリケーションに干渉することなく、利用しているハードウェアやソフトウェア構成の範囲でスムーズに動作する必要があります。つまり、次のような技術関連の質問や潜在的問題に対処する必要があります。

  • 学習者はコンピューターやモバイルデバイスを利用できますか?

  • 音声を聴くためのヘッドフォンやスピーカーは利用できますか?

  • eラーニングコースはどこでホストされますか?

  • コースの履歴をトラッキングする必要がありますか?

  • 動画などを再生できるネットワーク帯域はありますか?

多くの技術的な問題は、直面している制約を正確に把握することです。多くの場合、「最低公約数的、落としどころ」または「最悪のケースシナリオ」を見つける必要があります。


プロジェクト開始時に、IT技術者やLMS管理者などの技術者を必ず参加してもらい、コースの実施に影響を与える可能性のある技術的な問題を把握して対処できるようにしてください。


eラーニングコースの作成自体は、プロジェクトの半分に過ぎないことを忘れないでください。いかに役に立つコースであっても、必要な時に必要な場所で学習者が利用できないのは本末転倒です。



プロジェクトの計画


明確なゴールと明確な学習目標を手にすれば、プロジェクトの計画を開始するのに十分な情報が得られます。次のステップは、必要なタスクを特定し、その期間を見積もり、リソースを割り当てることです。これらを配置すると、スケジュールと主要プレーヤーを割り当てる準備が整います。



現実的なスケジュール(締切日)を設定する


誰もがプロジェクトがスケジュールどおりに進むことを望んでいます。そのためには、達成でき、顧客ニーズに対応し、利害関係者に明確に伝えられるスケジュールを設定する必要があります。


最適なプロジェクト計画には、プロジェクトを進めるのに詳細情報が含んでいます。通常、主要なマイルストーンを目標にし、スケジューリングと進捗状況の確認によってプロジェクトが行き詰まることを回避します。


現実的で達成可能なプロジェクトスケジュールを作成するには、次のことを行う必要があります。

  • タスクの相互依存関係に基づき、必要な成果物を特定する(クリティカルパスの特定)

  • 主要マイルストーンの期日と、プロジェクト終了予定日を記載する

  • 顧客が提供するアイテムの期限を含めて、彼らの責任を理解してもらう

  • レビューの各段階後に再作業(修正・追加作業)を計画する

  • 計画どおりにプロジェクトが100%進行することはないため、主要なフェーズの終わりに予期しない問題のためのバッファを設ける


適切な人材を獲得する


何をする必要があるかを特定したら、プロジェクトで作業してもらう、もしくはプロジェクトを成功させるために必要なフィードバックを提供してもらう人々を集める必要があります。「適任者」はプロジェクトごとに異なり、通常、「管理・進捗確認」、「内容作成」、「マルチメディアデザイン」、「コースデザイン」の4つの基本カテゴリに分類されます。


また、これらのプロジェクトの役割を果たしている人々の動ける時間を考慮する必要があります。たとえば、多くの場合、分野専門家(SME)との新たな時間調整や、外部リソースの新たな雇用は、プロジェクトの進行を遅らせる可能性があります。



プロジェクトを前進させる


柔軟で反復的なプロセス


計画を立てることは非常に重要ですが、発生しうる避けられない事柄を調整するために、プロセスは柔軟でなければなりません。


プロジェクトの途中で調整を行うことは悪いことではありません。実際、変更はプロジェクトを改善する絶好の機会です。しかし課題は、予算とスケジュールのバランスを取りながら、どの変更を追加するかを決定することです。


通常、プロジェクトには、スコープ、リソース、スケジュールの3種類の制限要因があります。プロジェクトの変更を検討する際、3つのうちどれが顧客にとって最も重要かを検討します。たとえば、スケジュールが最も重要な成功要因である場合、プロジェクトの完了を遅らせることなく達成できる場合にのみ、プロジェクト変更要求は承認されるべきです。


反復プロセスを使用して、コースのプロトタイプやベータ版ができ、それらを共有できる場合、プロジェクト期間中に継続的フィードバックを収集できます。その後、問題を特定し、必要な調整を早期に行うことができます。これはプロジェクト最終局面で、変更困難になったり、さらに追加費用が必要になったりするよりも効率的な手法です。


より良い結果につながる場合、変化は良いことです。eラーニング開発に対するよりアジャイルなアプローチであるSAM(後日翻訳)について詳しく調べてください。



オープンで透明なコミュニケーションを保つ


コミュニケーションは、プロジェクトの成功において最も重要な要素です。プロジェクトマネージャーとして、適切な情報を適切な人に適切なタイミングで提供することはあなたの責任です。最高のプロジェクトマネージャーは、各チームメンバーが必要とする情報を理解し、それぞれに最適なコミュニケーション方法を意識的に選択します。


利害関係者がどのようにコミュニケーションをとるかを知り、情報の流れのボトルネックを回避してください。一般的に皆がアクセス可能な場所(共有ドライブやArticulate Reviewなどのプロジェクトレビューアプリなど)への情報の投稿は、誤解や混乱を避けるための優れた方法です。


誰がどの情報を必要とするのか、なぜそれを必要とするのか、いつどのようにそれを提供するのが最適かを識別する単純なマトリックスの作成はよいアイデアです。プロジェクトが大きくなればなるほど、誰/何かを見逃さないようにすることが重要になります。



効果的なレビュープロセスを確立する


プロジェクトの進行を妨げる主な理由の1つは、効果のないレビュープロセスです。eラーニング開発者への最近のアンケート結果によると、eラーニング開発者は、プロジェクト時間の40%を分野専門家SMEとのコースの見直しに費やしています。しかし本当に必要なのでしょうか?


私の経験では、効果的なレビュープロセスに対する2つの主な障害は、レビュープロセスの理解不足と、利害関係者フィードバックの簡単な収集方法がないことです。


これらの問題は2つの簡単な手順で解決できることです。

  1. 最初のレビューサイクルの前にレビュアーとの会議をスケジュールし、プロセスを説明することで、プロセスの各段階でどのようなフィードバックを期待しているかを伝えます。そしてArticulate Reviewのような、わかりやすく意味のあるフィードバック方法を提供することです。あるレビュアーが他のレビュアーが指摘したものに同意しない場合でも、彼ら自身の間で議論し、コンセンサスを得られることを説明しておきます。

  2. Articulate Reviewなどのツールを使用して、すべての利害関係者のコメントを一元化すれば、各レビュアーから受け取るフィードバックの編集という無駄な時間をなくすことができます。彼ら自身がコメントをコンテキストに返信するだけで問題を解決できます。

レビュープロセスを簡素化する方法に関するその他のヒントについては、次の記事「5 Steps to an Easier E-Learning Course Review Process(後日翻訳予定)」をご覧ください。



プロジェクトを完了する


完了計画


当たり前のように思えるかもしれませんが、プロジェクトを計画する時は、プロジェクト完了条件を正確に既定することが重要です。パブリッシュしたコースを顧客に提供した時でしょうか?それともLMSに正常にアップロードされた時でしょうか?明確に定義されたプロジェクト完了ポイントに同意してもらわないと、スケジュール延長と費用がかさみ続ける可能性があります。


プロジェクトをまとめるためのチェックリストを作成しておくと便利です。次のような項目が含む必要があります。

  • 最終承認者はだれか?

  • ロールアウト日は?

  • コースはそのLMSで動作したか?

  • 学習者からの声は?

  • 顧客に完成コースを提供したか?

  • 顧客に提供する全ソースファイルは?

  • 全マネジメントタスクと関連事務処理が完了したか?

  • コースメンテナンスと更新のための引継ぎは?

もし計画段階でプロジェクトへの期待、スケジュールを文書化する場合は、成果物リストも作成しましょう。



プロジェクト完了後の報告


プロジェクト完了後に顧客にフォローアップし、成功した点と次プロジェクトでの改善点を知る必要があります。


提供物と達成ポイントの定義を文書化している場合は、プロジェクト計画を顧客に送り、契約が期待通りに完了したことを通知してください。



まとめ


以上のように、成功するeラーニングプロジェクトをマネジメントするには、eラーニングの専門知識以上のものが必要です。また、適切な目標を設定し、一連のアクションを計画し、計画を効率的に期限内に推進していくためには、プロジェクトマネジメントスキルが不可欠です。このガイドラインを参考にしていただくと、顧客に満足のいくeラーニングプロジェクトを提供するのに役立つでしょう。


プロジェクトマネジメントスキルをさらに上のレベルに引き上げたい場合は、以下のプロジェクトマネジメントリソースをご覧ください。


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