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ポイントソリューションでより良い従業員エクスペリエンスを提供する

更新日:2023年11月22日


以前のブログでは、従業員向けと人事部門向けのテクノロジーデザインの違いについて取り上げました。マネージャーと従業員のエクスペリエンスを提供する、より良い新しいソリューションとして、多くのポイントソリューションベンダーの成功を見る機会が増えています。これは新しい現象ではありません。長年にわたり、統合ソリューション(一つのベンダーからできるだけ多く採用することで統合の問題が少なくなる)とポイントソリューション(ポートフォリオ管理がより複雑になってもクラス最高の機能を実現するポイントソリューションを採用することは本当に重要です)との間の拮抗を長年見てきました。重要なポイントは、プロセスやジャーニー(道程)によって異なります。従業員にとって価値の高いジャーニー(道程)やプロセスは、従業員の体験に焦点を当てているべきです。もし従業員にとって利用頻度が高く価値が高い場合は、専門的なソリューションが必要になる可能性があります。


多くの点で、誤った分け方をしてしまっています。大規模で複雑な企業組織のHR部門のニーズにすべて対応できるベンダーはありません。企業がシステムに正確かつ最新の従業員データを記録・保持することは非常に重要です。しかし、記録を目的とするシステムを世界の中心と考えるのはやめる必要があります。従業員とマネージャーの視点から考えると、記録システムでできることはほんの一部にすぎないため、記録システムすらも1つのポイントソリューションでしかありません。

企業は、優れた従業員エクスペリエンスを作り出すために、複数システムから生成されるデータを統合する必要があります。また、複数システムのエクスペリエンスをデザインする際、プロセスではなく、個人のペルソナとジャーニー(道程)についてもっと考える必要があります。実際、学習やキャリア開発など、一部の活動はプロセス思考にまったく向いていません。さらに、従業員にどのようにエクスペリエンスを提供するかについて考える必要があります。


記録システムとは?


Gartnerの定義では、記録システムはコアのトランザクション処理をサポートし、組織の重要なマスターデータを管理します。HRの世界のコアトランザクション処理は、従業員に関連する業務、生活、組織イベント(HR master data)を処理するものです。従業員に適切な報酬を支払ったり、コンプライアンスや組織に必須なトレーニングなどを完了するために非常に重要です。また、これらのタイプのトランザクション(およびサポートするプロセス)を標準化することも理にかなっています。しかし給与処理を確立したり、必須トレーニングの完了情報を確認できるようになったとしても、企業に寄与するビジネス価値はあまりありません。

他のエンタープライズシステムや人事システムはデータに依存しているため重要です。大規模で複雑な企業組織では、HRシステムの記録情報から他のシステムへの連携している数が100を超えることも珍しくありません。このように、記録システムを世界の中心と考えるのは当然かもしれません。しかし問題は、トランザクションはエクスペリエンスではないことです。


エクスペリエンス>トランザクション+インタラクション


従業員のエクスペリエンスは、単にトランザクションとインタラクションを合わせたものではありません。どういう意味かというと、従業員が個人貢献者からマネージャーに昇格したとしましょう。記録システムであるHRシステムには、昇進や業務の変更など、システムを更新するために実行する必要のあるトランザクションが存在します。通常は、ある種のプロセスまたはワークフローに基づいています。昇給のようなイベントに関連する他のトランザクションがあるかもしれません。ここまでは何の問題もありません。記録システムは、業務イベントに基づいて従業員マスターデータが適切に更新されるようにするために必要なサポートをします。

人事部門にとっては素晴らしいことですが、新しいマネージャーにとってはどうでしょうか?私たちは通常、新マネージャーの視点からHRシステムを使わせません。なぜかというと、新しいマネージャーには、従業員マスターデータの更新に関する役割がないためです。しかし、新マネージャーの体験は、トランザクションや、給与の増加や休暇申請を承認する新しい権限などHRシステムとのやり取りだけではありません。エクスペリエンスは単にそれらのトランザクションとインタラクションが起こすことではありません。どのように新マネージャーに通知され、認識されるのでしょうか?新マネージャーはHRシステムがすでに把握しているはずの冗長なステップやデータがたくさん必要なのでしょうか?新マネージャーはどのようにして新しい役割に準備すればよいのでしょうか?

以前にブログ投稿したように、従業員のためにデザインしている場合、新しいマネージャーを中心とした体験も考える始める必要があります。

おそらく昇進のお祝いや表彰式から考え始めるかもしれません。次に、個人の貢献者をマネージャー(またはHR)に推薦する人物が、推薦するためのトランザクションを開始しますが、新しいマネージャーへの推奨学習パス、マネージャーコミュニティサイトに新マネージャーを追加したりなど、他のことも行うでしょう。経験豊富なマネージャーに質問したり、メンターを紹介したり、1 on 1 ミーティングのスケジュールなど新しいチームで行うべき推奨アクションを質問したり、できるだけ最善の方法で新しい役割を開始できます。最終的にエクスペリエンスを提供するのは、これらすべてのやり取りとトランザクションです。ジャーニー(道程)のこれらすべてのステップは、以下に示すように、異なるシステムで行うこともできます。

優れた従業員エクスペリエンスを作り上げるには、多くの場合、互いに協調して機能する複数のソリューションが必要です。


素晴らしいエクスペリエンスを提供する


では、どのようにして素晴らしいエクスペリエンスを提供するのでしょうか?従業員を知り、何を望んでいて何が必要なのかについて共感することから始めます。そのための1つの方法は、ペルソナを分析することです。ペルソナ分析は、従業員を様々区分する原型です。


ペルソナ毎にニーズが異なる場合があります。例えば建設会社では、新しく昇進したプロジェクトマネージャーのニーズが、新しい財務マネージャーのニーズと大きく異なる場合があります。記録システムでもトランザクションが必要ですが、提供するエクスペリエンスは大きく異なります。財務マネージャーは、対人関係構築スキル、リーダーシップスキル、コミュニケーションスキルの開発など、ソフトスキルの能力開発に重点を置く可能性があります。建設プロジェクトマネージャーもこれらのスキルを能力開発する必要がありますが、優れたカスタマーサービススキル、プロジェクト/チーム管理スキル、データ分析の提供スキルなどのハードスキルも能力開発する必要があります。それらスキルの開発方法や、開発タイミングも異なるかもしれません。

上記で説明したように、プロセスとトランザクションはデータに焦点を当てますが、ジャーニー(道程)はペルソナ毎のエクスペリエンスを意図的に定義するのに役立ちますし、重要です。ペルソナ毎のニーズと期待はそれぞれ異なるため、ペルソナ毎に異なるジャーニー(道程)が必要かもしれません。そして、同じペルソナを持つ人達であっても、異なるジャーニー(道程)のために異なるエクスペリエンスを必要とするでしょう。例えば、標準化されているオンボーディングの1つのジャーニーは問題ないかもしれませんが、キャリアプランは個別化されるため、複数のジャーニーを考慮しなければなりません。

ジャーニーマップは、エクスペリエンスを意図的に定義するのに役立ちます。


ジャーニーマップの例を見てみましょう。プロセスのように必要なステップから始めて、論理的な方法でグループ化します。ただし、ステップの多くはトランザクションではありませんし、それらはシステムで必ずしも発生するものでもありません。例えば、学習者が学習プログラムについて質問がある場合、上司に電話して質問することができます。マネージャーも質問に回答するためのサポートが必要な場合があり、これが障壁となるケースがあります。また、現在のジャーニーマップは、個人が何を考えるのか、どのように感じるのかを理解するのに役立ちます。引用は、個人の感情を理解するための直感的な方法を提供します。改善の余地と不要な障壁を取り除く機会を文書化します。それらを使用して、意図的により良いエクスペリエンスを設計します。


まとめ


ジャーニーマップには、特定のシステムが現れないことに注意してください。重要なのは、まずエクスペリエンスについて考え、エクスペリエンスが適切な場合はテクノロジーを検討して提供することです。その観点から考え始めると、記録システムであるHRシステムは多少なりとも役割を果たしませんし、必ずしも世界の中心ではありません。ポートフォリオの他のソリューションと一緒に検討する必要があります。実際、特定のポイントソリューション、特に従業員とマネージャーをデザインの中心として開発されている最新の現代的ソリューションは、大きな役割を果たすことができます。次回のブログ投稿では、より有意義でパーソナライズされたエクスペリエンスを提供する上でのデータの役割について説明します。

 

By Jim Holincheck, VP Advisory Services At Leapgen

July 23, 2020

 
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