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  • 執筆者の写真DISCE

LXPによるラーニングフューチャー

更新日:2023年11月27日

2022年11月末にDegreed社のAnnee BayeuxさんとAndrew Worsdellさんのお二人を日本にお招きいたしました。


Andrewさんはラーニングテクノロジー業界で20年以上の経験をお持ちで、2000年代に始まったLMSから、今なぜLXPが必要なのかということをお話しいただきました。


LMSは個人にコンテンツを割り当て、「管理」するのに対し、LXPは好奇心を生み出し、必要なときに必要なものを手に入れることができる点が大きな違いだと述べています。それが企業組織に「ラーニングカルチャー」を生み出す大きな要因になり、学習の背後にある「なぜ」という問いに答えることができると言います。

LMSは、従来、例えば、コンプライアンスのために使われてきましたが、LXPはLMSよりもはるかに広い範囲をカバーするもので、個人の成長やスキル開発の目標達成を支援するのだと説明してくれました。



Anneeさんは、現在Degreed社のチーフラーニングストラテジストで、BOSCHやGEでL&Dに携わり、DANONE(ダノン)ではChief Learning Officerを務めた方です。

Anneeさんは、当時の取り組みがどういうものだったのかという非常に興味深い内容を共有してくれました。


そして変化の必要性についてお話しいただきました。5~10年ほど前は、「オペレーショナル・エクセレンス」という、競合他社よりも「効率的」に事業を展開できるかどうかということが競争力を生み出すという考え方が一般的で、CEOは非常に明確な役割分担と専門性を持ち、堅固な組織を作り上げることを目標としていました。しかし、大きな変化があり、COVID19によるパンデミックのような予期せぬ事態が発生すると、今までのやり方が通じなくなったのです。そして、CEOたちは、数ヶ月ではなく、数週間または数日で、ビジネスとの戦略的な整合性、回復力、新しい役割に人々を迅速に変化させる「アジリティ」がキーワードであることに再認識したと言います。


DANONEには世界に10万人の従業員がおり、当時彼女の元には200人ものL&D部門のメンバーがいました。200人のメンバーが「効率よく」業務を進めるためにLMSを利用しており、そういう意味ではLMSは素晴らしい結果を生み出したと言います。しかし世の中が変化しているので今までとは違う方法が必要になり、色々調査した結果、LXPがその解決策となったといいます。LXPは、従業員の経験を向上させること、組織内でよりポジティブで好奇心旺盛な学習文化を推進することにフォーカスしています。より自主的なもの、より従業員が決められるものを選択したと言います。従業員の手に能力開発を委ねることで、何を学ぶかを自分で決められるだけでなく、将来の職務のために何を学ぶかを自らが決めることができます。そうすれば、ただ即戦力としての目前の能力開発をするのではなく、自分のキャリアについて考え始めることができると言います。

またポジティブな学習文化を築くためにマネージャーとSME(分野専門家)の関与が不可欠だと言います。スキルをどのように構築するかは、仕事の中に織り込まれており、シャドーイング、メンタリングやコーチング、ストレッチアサインメントの中でスキルを構築できると言います。その実現にマネージャーとSMEが不可欠ということを共有いただきました。


CLOの役割についてもお聞きしました。Anneeさんが言うには、実は2000年代はアメリカでもCLOはかなり珍しい存在だったとのことです。しかし、この15年間で学習戦略をリードする専門家の組み合わせが生まれ始めたと言います。それは、ビジネス(事業)との整合性、企業の競争力を維持するために「能力開発」が実際に役立つということが、ますます一般に広まったからだと言います。そして今、CLOがいる企業組織を見ると、CEOが重要な戦略的性格を理解していることがわかると共有してくれました。

またCLOとラーニング部門やL&D部門の責任者では、必要となるスキルが違うともおっしゃっていました。なぜなら、ラーニング部門やL&D部門の責任者は、非常に「戦術的」で運用的な役割で、CLOはより「戦略的」でより良いビジネスパートナーという役割だからだと言います。そのため現在CLOにはMBAはもちろん、コンサルタントとしての能力が必要だと言います。そして驚くべきことにラーニングテクノロジーを扱ったことがあるかという点も加えてくれました。


非常に情熱的であり、かつ魅力的なお二人とのディスカッションビデオをご覧ください。日本語字幕も付けておりますのでご参考なれば幸いです。


また内容を振り返ったビデオもございますので合わせてご確認ください。


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