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  • 執筆者の写真DISCE

エマージングスキルのタマゴを自社で育成する

更新日:2023年11月22日

今年は私たちの生活にコロナウイルスという予想外の出来事が起こり、このことから未来を完全に予測できないという事実を突きつけられてしまいました。しかし、プロジェクト、チーム、業務の全体にわたり動的に横断できる従業員が将来の課題に対応できる適切な新しいスキルを育成することの重要性も再認識できました。

最近のMITの調査では、回答者の3分の2が新しいテクノロジーを追求するとともに、業務慣習とスキルをアップデートすることが混乱(ディスラプト)に対応するためのカギであると感じています。では、どうすれば現在必要なスキルと将来必要なスキルを従業員に身につけさせることができるのでしょうか。先見の明がある企業は、従業員の学習へのアプローチを再設計して、新しいスキルを継続的な育成の支援をしています。

クライアントと緊密に共同している際に、新たなスキルの構築に力を注いでいる企業が5つの異なる方法で実施していることに気づきました。


1. ゼロからスキルを構築


新たに必要なスキルを見つけるには、スキル構築へのボトムアップアプローチを促進するために、ラーニング部門、タレント部門、運用部門間のコラボレーションが必要です。アジャイルな企業は、従業員やマネージャーから新たに必要なスキルの情報を得て、将来のプロジェクト、目標、業務に何が必要かを発見します。これらのデータによる洞察から、企業内学習とアップスキルの基礎を作り出しています。

McKinsey&Companyの調査「Building Capabilities for Performance」では、スキルを開発する共同的な戦略が必要だと主張しています。社内モビリティ(人材再配置)、ビジネス戦略、学習戦略を個別に計画するのではなく、ビジネス、財務、人事のリーダーを集めて会話を行うことです。この共同的な学習方法は、「能力開発をサポートする、ツール・方法・手順を構築する構造化されたアプローチ」として報告しています。


2. 有機的に出現する新しいスキルを活用


新たに出現するスキルを特定するにはまずそのスキルを認識することが必要であるのと同じように、新たなスキルへのトレーニングも必要です。しかも、そのトレーニングは従業員の日常の業務中に行われる必要があります。

Qualcommは、ソーシャルネットワーク、モバイルデバイス、キュレーションされたコンテンツを通じて、従来のトップダウンで行う企業学習モデルから、従業員が日常の中で情報をどのように学習するかを反映するシステムに一新しました。Qualcommのラーニングセンターは、従業員に専門家になるための個々のラーニングパスを示し、動的に能力開発するための新しいツールを提供しました。現在、従業員は定期的に同僚とコンテンツを推奨しあい、内容について議論しています。


3. 専門家に知識を広めるプラットフォームを提供


企業は新たに必要となるスキルを大学自体がキャッチアップできないかもしれないので新入社員だけに担ってもらうわけにはいきません。ですので、従業員のスキルを特定し、スキル開発に積極的でなければなりません。解決策は、既存のタレントを活用するアップスキルプログラムをデザインし、従業員中心のツールで知識を醸成する力を押し上げることです。

従業員主導のアップスキルプログラムは、従業員が自らの学習を積み上げ、同僚の成長を支援することができる時に本当に発展します。社内モビリティ(人事異動)構造を支えたり、メンターシッププログラムの機会を作り出したり、重要な知識を共有するチャネルを構築したりなど、従業員が自分のキャリア開発と会社の将来に貢献することができます。

企業組織に適したプラットフォームをお探しの場合は、Guide to Talent Development Technologyで、選考基準、市場調査のツール、事例をご確認ください。

日本語版については弊社ディーシェにお問い合わせください

4. 進捗状況についてフィードバックする


従業員主導のインフォーマルラーニングは魅力的に聞こえますが、インフォーマルラーニングのようなタイプの学習を提供する最良の方法は、個人個人の進捗状況を測定し、身に着けた新しいスキルを確認して、さらに次のアクションに目を向けることです。そうすることで従業員は価値の生み出す継続的な成長ができ、それが企業組織に価値をもたらします。

革新的な成長目標を達成するために、ヨーロッパのデジタルプリント業界をリードするPhotobox Groupは、従業員の学習とキャリアの成長を促進するために文化を変えました。Photoboxは、同僚やマネージャーのフィードバックと自己レビューを組み合わせた360度評価のフィードバックプロセスを作り、自分のパフォーマンスと開発すべき必要なスキルの全体像を従業員に提供しています。

Photoboxは現在1,000人以上の従業員に対して、フィードバックに結びつくスキルギャップに対応したキャリア開発をサポートするパーソナライズされたラーニングパスを提供しています。


5. 新しいスキルを特定するためのデータマイニング


ラーニング部門やタレント部門のリーダーは、データマイニングすることにより、新たに必要なスキルのトレンドを見ることができます。自社内だけでそれを行うことができない場合は、O*NETなどのデータセット、またはBurning GlassTalentNeuronなどの労働市場分析ツールで、毎日の求人情報を分析して新たに必要なスキルを見つけてください。

また、興味のあるスキル、スキルレイティングデータ、検索活動データから、従業員が構築したいスキルをDegreedは提供します。今必要としているスキルと将来必要となるスキルを理解する上で強力なデータとなります。

会社に必要な新しいスキルを特定する時は、そのスキルが通用する期間を考慮してください。創造性やコミュニケーション能力など、柔軟で一貫性のあるスキルは有効な期間が長く、プログラミング言語やソフトウェアなどのテクニカルスキルは有効期間が短い場合があります。新たに必要となった新興スキル、進化したスキル、もはや古いスキル、といった3つの要素でスキルを考えてください。


これらのスキルを早期に特定できれば、常に最先端の新しいビジネス、プロセス、ツール、能力に従業員を保て、競合他社に勝利するスキルを示すことができます。ビジネス上のディスラプト(混乱)を起こしやすい領域を監視し、スキルの動向や変化にすばやく対応できます。

組織で新たなスキルを育成する方法について詳しく知りたい場合は、こちらから完全ガイドをダウンロードしてください!



日本語版については弊社ディーシェにお問い合わせください

 

By Isabella Lazzareschi, Content And Managing Editor May 12, 2020

 
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