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執筆者の写真DISCE

コンピテンシーモデルからスキル戦略に移行するための5ステップ

更新日:2023年11月22日


コンピテンシーモデルは複雑です。コンピテンシーリストはしばしば終わりがなく、たくさんのバズワードで肥大化します。また各リストには通常、様々なパフォーマンスレベルを説明するための文章が含まれています。それはすなわち数量化が難しく、管理が難しくなります。


これらのことは組織の分析や適応能力を制限してしまいます。コンピテンシーモデルは、アジリティ(敏捷性)やビッグデータ用に設計されてはいません。コンピテンシーモデルは従業員の行動が経営層のビジョンに沿うようにするために1970年代に生まれました。


コンピテンシーモデルには、単なる知識やスキル以上のものが必要です。またパフォーマンスに関わる「行動」と「態度」の組み合わせでもあります。しかし組織は一度にすべてを測定しようとすると実用的なデータを収集できませんし、従業員は何か新しいことを学ぶ必要がある時にコンピテンシーモデルを再度チェックすることはほとんどありません。


このことがスキルにフォーカスする新しい戦略が必要な理由です。スキルは従業員が自分の成長について話す時に実際にアピールする具体的な内容です。組織がスキルをトラッキングする時、信頼できるデータ・洞察を提供でき、経営層やHRの意思決定を支援できるデータとなります。


コンピテンシーモデルをまだ使っている場合、スキルモデルへの第一歩を踏み出すには何が必要なのでしょうか?まず、2つの違いを理解することです。そして次に能力を基本的な構成要素であるスキルに分解することです。次の5つのステップで始めましょう。



1.基本原則


大きな変革を行うには明確な方向性が必要です。Degreed社自身では、スキル戦略を構築する3つの基本原則に取り組んでいます。次の3つの基本原則、中核的な信念は、スキルを習得しようとしている従業員を導くことができます。


  • ビジネスドリブン そのスキルが実際のビジネス上の問題を解決していない場合、そのスキルは目的を果たしていません。単にコンピテンシーリストをアップデートすることが目的ではありません。個人レベルのスキルの成長が組織に利益をもたらす必要があります。

  • 適応性 スキルは、様々なコンテキストに適応し、市場とトレンドに合わせて順応する必要があります。コンピテンシーは多くの場合、役割や部門固有のものであり、役割間の比較ができないため、社内モビリティ(配置転換)とスケーラビリティが制限されてしまいます。しかし、スキルは普遍的な共通言語であるため、マネージャーはチームや役割に必要な従業員の能力を評価できます。つまり、同じ基準で比較することができます。

  • マーケットドリブン型 マーケット(市場)状況は、ターゲットスキルを決めるのに重要な要素です。従業員はどんな情報をフォローしたり、タグ付けたり、検索しているのでしょうか?この情報は、組織に利益をもたらす可能性のあるパターンだったり、急成長する傾向であったり、新しく必要な能力などを示すことができます。これらのデータは、マーケット(市場)で実際に重要なことを示しており、継続的に変わっていきます。



2.基本的な違い


スキルとコンピテンシーは似ているように見えることがあります。多くの人は違いを知りません。この2つは、能力について表す方法にすぎないのでしょうか?


正確にはそうではありません。コンピテンシーは、ある役割における個々の「行動」に焦点を合わせている傾向があります。例えば、IT向けとセールス向けのプロジェクトマネージャーの「利害関係者との調整能力」は異なる場合が多いです。


上記の例のようにコンピテンシーモデルでは、他の役割でどのように機能するかの判断が難しくなります。一方、スキルは分野を越えて機能する専門知識に基づいています。

コンピテンシーモデルは、今までの着実な右肩上がりの成長期時代に役立ち、段階的に改善する方法を従業員に伝えることができます。しかし、スキルはトランスフォーメーション(変革)とアジリティ(俊敏性)に優れており、定量化可能で標準化できるので、社内モビリティ(配置転換)・人事異動の元となるデータをもたらします。


最後にコンピテンシーは、多くのスキルが知識・行動・態度と融合する傾向があります。そのため誰かの能力が不足している場合、原因を説明するのが困難になります。あるスキルが弱いのか?悪い習慣が問題を引き起こしているのか?その従業員は自分の役割に興味がないのか?コンピテンシーモデルだけではおそらく答えが得られません。



3.トランスレーション


スキル戦略に移行するには、能力評価を開始し、能力をスキルに分解する必要があります。幸いなことに、スキルに移行するためにコンピテンシーモデルをすぐに捨て去る必要はありません。取り組むべき課題は、2つのモデル間をトランスレーション(変換)することです。


通常、ある能力には複数のスキルが含まれます。例えば「Business Acumen:ビジネス感覚」コンピテンシーに入るスキルを考えてみてください。

従業員がビジネス感覚の能力を示すためには、「予算の作成と管理」、「市場調査とマーケティング戦略」、「競合分析」と「ビジネス促進」のスキルが必要です。


企業組織は、上記のコンピテンシービルディングブロックのように、各コンピテンシーをスキルに分解することができます。そして、これらのスキルをトラッキングし、個人毎にあらゆる役割に関する能力の開発ができます。実際にコンピテンシーを個々のスキルに分解するプロセスに興味がある場合は、こちらの最新ブログで詳細を確認してください。



4.スキル測定


コンピテンシーをスキルにトランスレーションしたら、それらのスキルの測定と新しいスキルの習得をどのように行えばよいのでしょうか?実施前後の比較と人事異動の可能性に関する難しい質問に対して明確に回答できるでしょうか?


Lumina財団は、スキル測定のための素晴らしいソリューションを提唱し、あらゆる領域に適用できる直感的な8レベルの基準を開発しました。


最も下の4つのレベルは、典型的な能力の範囲をカバーしています。Level 1は初心者で、Level 2はアシスタントです。Level 3では従業員は補佐なしで一般的な事は実行でき、Level 4では従業員はベストプラクティスに従って実行できます。


真ん中の2つのレベルは、コンピテンシーレベルから戦略レベルに移行します。Level 5は複雑な状況下でも実行できます。Level 6は困難な課題を通じて他者を導くことができます。


最高レベルは、業界トップレベルの習熟度を表します。Level 7は新しいトレンドを作り上げたり、新しい適用方法を試すことができます。最後のLevel 8は、先見の明、発明家、思想的リーダーになることを意味します。


この8レベルの基準は、部署や役割を問わず、ソフトスキルとテクニカルスキル両方に有効です。コンピテンシーがスキルにトランスレーションできると、従業員の役割を変更したり、組織戦略を変更したとしても、時間とともに従業員の進捗をトラッキングできます。



5.長い旅


コンピテンシーモデルからスキルモデルに移行した場合、次に何が起こるのでしょうか?貴社組織の従業員はどのように変わっていくのでしょうか?


適切なツールがあれば、従業員は新しいスキルを開発するための各々の旅に出るので、スキル戦略への移行はより広範なトランスフォーメーション(変革)を促進できます。


人々が何を学びたいか、どのリソースが目指すスキルの向上に役立つかを認識できる、DegreedのようなLXPであるパーソナライズされたプラットフォームから始まります。人々はプラットフォームで共同学習したり、自分と同じスキルに興味がある人を見つけることができます。グループを作り、コンテンツを共有し、互いにフォローし、コメントを投稿することで、共同で学ぶことができます。

人々はスキルという共通言語を使うことができるようになります。開発したいスキルでタグ付けされた学習コンテンツを検索したり、自分の目標スキルをプロファイルに追加したり、レベル評価を定期的に更新したりすることもできます。最終的に、これは長期的なトランスフォーメーションにつながります。企業組織は、変化する能力を測定でき、必要に応じて戦略を調整することができます。そしておそらく最も重要なことは、この仕組みは従業員のスキルが継続的に更新されるため、決して時代遅れにはなりません。


私たちの時代に起きている経験したことのない変動(ビッグデータとデジタル破壊)に対応するためには、人材開発への新しいアプローチを必要とします。コンピテンシーモデルの事前に定められた優先順位と固定構造にとらわれないでください。スキルという共通言語が組織のデータや洞察を集め、アジリティ(俊敏性)を構築するのにどのように役立つか詳しく知りたい方はお問い合わせください!

 

By Nick Welna, Writer

March 10, 2020

 

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