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  • 執筆者の写真DISCE

HCM、LMS、LXPの違い

更新日:2023年11月22日


デジタルトランスフォーメーションは、この10年間で企業にとって避けられない現実になりました。エンタープライズソフトウェア市場は、DXの現実化により規模と複雑さが大きくなり、ラーニングテクノロジー分野も例外ではありません。


RedThread Researchの最新の調査によると、今日の市場には250を超えるラーニングテクノロジーベンダーが存在しています。ラーニングテクノロジーの中だけでも、新しいカテゴリができ、カテゴリ定義も人により異なっているようです。LMS、LXP、LEP、スキルストラテジー、ナレッジクラウドなどです。しかし、これらの用語は、本当はどういう意味なのでしょうか?


一方、多くのベンダーは、メンタリング、パフォーマンストラッキング、ソーシャルシェアリングなど、過去に学習活動と認められていなかった新しい機能を提供しています。また、以前はラーニングソリューションを提供していなかったHCMシステムが、人事給与、勤怠管理、福利厚生管理とともに「skills clouds」や「skills engines」といった名称の機能を提供しています。


この状況は、経験豊富なITの専門家ですら圧倒される状況です。


この略語だらけの状況を理解する1つの方法は、膨大な数のラーニングテクノロジーソリューションを交通手段に置き換えて考えることです。飛行機、電車、自動車はすべて、A地点からB地点に移動する交通手段ですが、それぞれ異なる方法で移動します。ある旅行に最適な選択肢は、あなたの移動ニーズにより異なります。1つの交通手段がある旅行に対してテクノロジー的に可能だからといって、その手段が正しい選択肢であるとは限りません。交通手段と、HCM、LMS、LXPの違いは同じです。



HCMシステムは飛行機に似ている


飛行機は、国内/国際の都市を行き来します。飛行機は、比較的短い時間で広大な距離を移動するのに非常に効果的です。また強力であるがゆえ、安全に操作するには専門的なトレーニングが必要です。さらに本当の最終目的地には空港がないため、通常は最終目的地に到着するために空港からの車や電車が必要です。


HCMはHuman Capital Managementの略です。最後の単語をもう一度読んでください。HCMは、給与管理、福利厚生管理、勤怠管理、そして場合によってはパフォーマンス管理とコンプライアンストレーニングなどの重要な人事要件を管理するように設計されています。HCMは、スケーラブルな均質的サービスを従業員に提供することで、これらのプロセスを効率的に管理します。空の旅がすべての乗客それぞれを最終目的地に連れて行くように設計されていないのと同様に、HCMは従業員にパーソナライズされたサービスを提供するように設計されていません。


学習とキャリア開発は、人事管理機能と比較すると、等しく行うものではありません。効果的な学習とスキル開発には、その人に合った、より正確な手段が必要です。Gartnerによる2018年の調査では、2020年までに、グローバル企業や大企業の30%が、HRや人材管理のための統合的なクラウドHCMスイートに投資する予定ですが、HR要件の20%~30%はクラウドスイート以外から調達する必要があると述べています。


Nucleus Researchによる2017年の調査では、HCMシステムのタレントマネジメント機能に大きな価値を見出しているのはHCMユーザーのわずか3%であることがわかりました。



LMSは電車のようなもの


電車は、設定されたスケジュールに従って、特定のルートで大勢の人々を輸送できるように設計されています。しかし電車は飛行機よりも監視とメンテナンスが少なくて済みます。また空港よりも駅というマイナーハブをより効果的に機能させることができ、都市内のように人々をより短い距離を効率的に移動させるのに理想的です。ただし、電車を運転するには、運転士や車掌のような認定された乗員が必要です。


学習管理システム(LMS)は、乗員のような学習管理者がフォーマルトレーニングを作成して従業員に提供するために設計されています。これには、オンボーディング、社内トレーニング、集合研修が含まれます。通常、受講登録管理や教室管理などの集合研修トレーニングに関する要件や、SCORMやxAPIなどの伝統的なeラーニングコース形式(学習コースのアンケートやレポーティングを含む)に対応しています。この一部はHCM機能と重複する可能性がありますが、LMSは「学習管理」の要件に合わせて特別に設計されており、たとえば、受講承認などの複雑な承認プロセス管理など、よりきめ細かく実施することができます。LMS機能の詳細については、「10 Must-Have LMS Features」をご覧ください。


管理者主導のプラットフォームとして、LMSはトップダウン型の学習に最も効果的です。鉄道サービスが乗客のために管理者がルートを選択し、駅で停止するように、LMSを使用すると、学習管理者は従業員が利用できる学習コンテンツを設計したり、選択することができます。



LXPは自動車のようなもの


自動車は、個人や家族という個々の移動ニーズを満たすことができるように設計されています。自動車は、人々が自分のスケジュールで、自分の速度で、好きな場所に行くことができます。自動車のようにLXPは、どこでも自分が好きな時に学習できるように設計されています。


LXPは、LMSのように学習管理者の業務を簡単にするために設計されているのではなく、従業員、契約社員者、管理者などのエンドユーザーの学習とスキル開発をより魅力的で生産的にするように設計されています。つまり、組織はLMSを使用して学習を「管理」でき、LXPを使用して学習を「可能」にします。


LXPが学習を「可能」にする方法の1つは、フォーマルおよびインフォーマルなラーニングリソースをトラッキング可能な1つのラーニングテクノロジープラットフォームにまとめることです。インフォーマルなラーニングコンテンツには、記事・ブログ・ウェビナー・書籍・ポッドキャスト・オンラインビデオなどがあります。DegreedのHow the Workforce Learnsレポートを含む様々な調査では、職場での学習のほとんどが業務の流れの中で起こることを示しています。LXPは、その学習のすべてをしやすくし、トラキングし、測定し、業務に関連するスキルにマッピングすることができます。また、パスウェイやプランという機能を使って学習コンテンツを提示することもできます。これにより、従業員は組織内に必要な新しい役割に必要なスキルセットに向けて学習することができます。


Brandon Hall Groupの2019年のレポートで、LXPがラーニングテクノロジー分野に持ち込んだ変化について次のように説明しています。

「LXPラーニングエクスペリエンスプラットフォームは、イベントベースの単一参照ポイントアプローチから、学習の深さとリテンションを大幅に向上する没入型環境に学習を変化させます。」



完全なラーニングソリューションを提供する方法


HCM、LMS、LXPのそれぞれの機能を理解すると、それらが連携して企業向けの完全なラーニングソリューションを提供できるということを理解することは難しくありません。LMSはフォーマルな学習を提供し、HCMは学習を採用活動とパフォーマンス管理に結び付けることができます。そしてLXPは能動的に活動するインフォーマルラーニングを含む、すべての学習をスキルとキャリア開発に結び付けることができます。


RedThread Researchが実施した調査に基づいて、L&Dがもたらすことができるラーニングエクスペリエンスには、計画・発見・学習・体験・共同・実行(PLAN・DISCOVER・CONSUME・EXPERIMENT・CONNECT・PERFORM)の6つの要素があります。重要な管理機能としては、作成&管理・分析(CREATE&MANAGE・ANALYZE)の2つだけです。さらに作成&管理はキュレーションが一般的になるにつれて比重が軽くなります。


各機能の下には要件リストがあります。6つのラーニングエクスペリエンスアクティビティはすべて説明できますが、特定機能は組織固有のニーズによって異なります。このレポートは、ゴールがこのフレームワークの30機能をすべて導入することではなく、このフレームワークを出発点として理想的なラーニングテクノロジーエコシステムをデザインすることであると指摘しています。



LXPをサポート/補完するLMSのコア機能


  • 連携統合

  • 伝統的なフォーマルラーニングリソースの管理

  • 集合研修サポート

  • アセスメント

  • 上記の運営管理

  • レポーティング

  • 通知とリマインダー機能

  • 承認管理

[出典:Brandon Hall report]



LXPとLMSが連携するメリット


LMSは、少数の管理者しか知らない素晴らしい機能が充実しています。優れたLXPは、フォーマルなコンプライアンスベースの学習とインフォーマルなラーニングを統合することにより、LMSを補います。逆にLMS上のコンテンツは、記事・ビデオ・ユーザーがキュレーションした学習コンテンツなどのインフォーマルなキュレーションされた学習コンテンツと並んで提示されます。LMS上のコンテンツを日常使用向けに設計されたLXPでも提供できるので、LXPとの併用により従業員はLMSコンテンツを見ることになるので、Degreedのお客様は、ますますLMSとの連携を重要視しています。



LMSとLXPを連携・統合するさらなるメリット


  • ラーニングのコントロール:LXPはユーザーとマネージャーに高い俊敏性・柔軟性・適応性を提供し、それぞれの学習スタイルと学習要件に最適なラーニングパスを作成することができます。

  • 全体的なコンテンツ戦略:ユーザーは、学習コンテンツソースの深さと幅をすぐに知ることができ、利用することができます。

  • 継続的な学習アプローチ:従業員は、現在の自分に役立つものだけでなく、将来のキャリアや専門能力開発で自分に役立つものも学習したいと考えています。LXPは、ユーザーが短期・中期・長期の目標を満たすプランを設定できるので、両方のニーズのバランスを持つことができます。

  • 学習の習熟度:排他的なLMS環境では、誰かが学んだものを参考にしたり、自分が設定した新しいスキルの習熟度を測定することは困難です。LXPは、ユーザーのラーニングジャーニー(学びの旅)を通して、自分の道を開き、能力とスキルセットを開発・改善する能力を与えることにより、学習と習熟度を結び付ける機能を提供します。



Degreed + LearnUpon = LXP + LMS


多くのお客様から言われていたことの1つは、Degreedのように直観的なユーザーインターフェイスと最高のカスタマーサポートを備えたLMSです。またお客様は、LXPとLMSの両方の機能がワンストップで提供されることを望んでいました。LearnUponとの新しいパートナーシップにより、お客様が望んでいた統合サポートシステムとして必要なLMS・LXP機能を得ることができます。ラーニングエコシステムへの取り組みの詳細については、Brandon Hall Groupとのパートナーシップで行われたこの最新レポートをダウンロードしてください。


 

By Meredith Keller, February 24, 2020

 

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