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未来の働き方を牽引するスキルの共通言語化

更新日:2023年11月27日


基盤づくりは、人類最古の活動の一つです。石、木、泥、藁などを使って家や建物を安定させる基盤は、新石器時代までさかのぼることができます。基盤づくりは、人々が定住し、農業を営み、町や都市を建設する上で、人類の進歩に不可欠なものでした。


現代では、硬直的な仕事の形態から、タスクやプロジェクトに基づいた形態へと変化しているため、同じような現象に直面しています。この変化を企業組織で成功させるためには、祖先と同じように、現代の人々にも強固な基盤が必要です。私は、Cisco(シスコ)社やUnilever(ユニリーバ)社などの世界中の企業と協力して、成功するスキル戦略をサポートする強力な基礎スキル分類法の構築を支援する中で、このことを直接目にしてきました。


現在、世界中の企業の人材開発の専門家と事業部門のリーダーが、このような基盤を構築するために集まってきています。このため、スキル分類(スキルタクソノミー)、スキルインベントリ、スキルフレームワーク、スキルベース組織といった言葉を耳にする機会が増えています。人材開発(L&D)担当者がこれまでのジョブ・アーキテクチャに別れを告げ、代わりに業務を完了するために必要なスキルセットを共通の構成要素に分解しようとしています。



従来型の仕事では通用しない


なぜ、このような事態になったのでしょうか?スキルギャップは業界全体で拡大しており、コンピテンシーモデルのような従来の人材モデルでは、そのギャップを埋めるには十分ではありません。コンピテンシーモデルは複雑かつ静的で、すぐに古くなってしまうため、人材開発(L&D)部門のリーダーが期待するような使われ方はされていません。一方、スキル分類(スキルタクソノミー)は、特定の職務で実際に何ができるかに焦点を当てたものです。スキル分類はダイナミックで、新しいスキルの出現や他のスキルの衰退に伴って常に更新されます。


自動化やAIのような新しいテクノロジーは、スキルギャップをさらに悪化させています。その結果、企業は2030年までに11億人の人材を新たな役割のためにアップスキリングさせることが急務であると言われています。これが成功すれば、GDPを6.5兆ドル押し上げる可能性があるのです。


したがって、すべての企業において、次の2つのことが重要です。それは、将来的に最も必要とされるスキルを身につけること、そして、そのスキルに応じて適切なプロジェクトや職務に人材を配置することです。



仕事の細分化


個人のスキルセットという観点から考えることで、仕事の変遷の道筋をより深く理解することができます。従業員がどのようなスキルを持ち、どのようなスキルが必要かを理解することで、従業員は、ビジネスニーズに基づいて昇進したり、他の役割や部署に(永久的または一時的に)異動するために必要な学習と経験を正確に把握することができます。ビジネスピボットや自動化によって従業員の役割がリスクにさらされた場合、人事部門のリーダーは積極的に既存のスキルに見合った他のポジションに再配置させることができます。これにより、現在および将来の業務に必要な適切なスキルを持つ、雇用可能な従業員を確保することができます。



スキル分類(スキルタクソノミー)の導入

仕事を分解する最初のステップは、スキル分類を作成すること


従来、スキル分類は、企業ごとに異なる要素を持ち、労働力と世の中の変化に応じて進化してきました。採用データ、人事データ、学習データ(履歴書、役割、ジョブディスクリプション、学習活動、キャリア目標、パフォーマンスフィードバック)を含む数多くのデータソースがこの進化を後押ししてきました。


最も正確な分類を作成するために、企業は学習データを人事および採用データと組み合わせています。労働者が履歴書を更新したり、人事考課を受けるのは年1回ですが、労働者は毎日学習しています。学習システムと人事システムから得られる知見があれば、その人のスキルをより包括的に把握することができます。



グローバルスキル分類(スキルタクソノミー)の構築


スキル分類を共有することは、非常にエキサイティングなことです。人材開発(L&D)部門と事業部門の関係者全員が、それぞれの組織や業界全体のスキルについて話すときに、同じ理解を持つことができるようになります。ある職務に必要な主要スキルをマクロレベルで理解することで、事業部門リーダーは採用、社内モビリティ、アップスキルやリスキルに関してより良い判断を下すことができるようになります。また、共通のスキル分類を作ることは、世界中の政府や組織間の協力関係を強化することにもつながります。


世界経済フォーラム(WEF)は、Degreedを含む主要な企業組織と協力して、共通のスキル分類の作成に積極的に取り組んでいます。この取り組みにより、すべての企業、コンテンツプロバイダ、システムプロバイダが独自の分類を作成する必要性を減らすことができます。目標は、スキルに関する共通言語を作成することです。この共通の分類が完成すれば、企業はそれを全面的に採用したり、独自の役割や職務内容に適合させたりすることができるようになります。一般的に、企業組織内のスキルの約80%は共通で、20%は企業独自であるため、この分類の作成はほとんどの企業組織にとって重い負担となります。



未来への準備


変化し続けるビジネス環境の中で競争力を維持するために、ほとんどの企業組織は近い将来、何らかのスキル分類を採用する必要があります。スキルベースのアプローチは、Unilever(ユニリーバ)社やWalmart(ウォルマート)社などの企業がこの新しいワークモデルの一部を採用し、より一般的になりつつあります。Deloitte(デロイト)社によると、現在の仕事の63%は中核的な職務内容から外れており、81%は職能の境界を越えて行われているといいます。採用やキャリア開発などの分野でスキルベースのプロセスを一貫して公平に実施する唯一の方法は、スキル分類から始めることです。そうでなければ、大きな盲点を抱えたまま取り組んでいることになります。


分類は、企業組織に利益をもたらします。従業員にとっては、キャリアアップの機会や、スキルに応じた学習など、明確な利点があります。人事部門や人材育成部門のリーダーは、従業員の職務への適合性をより正確に把握することができ、昇進や採用の決定において偏見を排除することができます。ラーニング部門は、コンテンツとスキルの対応付けを容易にし、ビジネスと個人の目標に沿った分野をターゲットにすることができます。事業部門では、スキル分類により、人材の再配置が容易になるため、対応力とアジリティが向上します。また、クリティカルなスキルのギャップがあっても、ビジネスに影響を与えないことが多くなります。


さらに、ビジネスや市場の変化に対応できるスキル分類を持つことで、従業員のスキル、役割、プロジェクトがどのように変化しているかを把握することができます。



スキルベースの仕事を現実にする


仕事の変化が激しくなり、コンピテンシーモデルや正式なジョブディスクリプションを作るという昔ながらの考え方では追いつかなくなったからです。Josh Bersin Companyの創設者兼CEOであり、著者でもあるJosh Bersin氏は、『企業は、成功をもたらすスキルを継続的に特定し、そのスキルを人々が見つけられるように整理・配置し、個人とマネージャーが将来のスキルに備えて自己啓発できるシステムを必要としている』と述べています。


このアプローチを採用する企業が増えるにつれ、人材開発(L&D)部門のリーダーはスキルに関する共通基準を設定し、共通用語を採用する必要があります。特に、新しいスキルがこれまでになく急速に出現し、ある企業のブランドエバンジェリストが別の企業のカスタマー・マーケティング・マネージャーも兼任しているような現在ではなおさらです。


共通のスキル分類は、人材開発(L&D)を明確にし、向上させます。だからこそ、多くのスキルベース組織がまだ初期段階にある今、業界を超えたコラボレーションを実現することが極めて重要なのです。

 

By Kelly Palmer, February 7, 2023

 

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