top of page
  • 執筆者の写真DISCE

企業組織におけるアジリティの秘訣はマネージャー

更新日:2023年11月27日


ラーニングやタレントの分野に長期間にわたり携わっている場合は、おそらく企業組織のアジリティの余地がほとんどないコンピテンシーモデルを作った経験があると思います。通常コンピテンシーモデルの作成は次のようになります。

  • 役割は、最新スキルまたはいくつかのスキル定義が十分できていないと識別される

  • 多くのアセスメントとインタビューが様々な利害関係者に対して実施される

  • 社外からコンサルタントが招聘されることがよくある

  • ドラフトマップが作られ、フィードバックのために全利害関係者に共有される

  • 最後に、従業員とマネージャーにそのモデルを共有する輝かしい新しい計画が立てられるが、モデルを使って何ができるのかという明確な期待を持っているわけではない



このコンピテンシーモデル作成プロセスは、多くの場合、数か月、場合によっては1年近くかかります。そのプロセスを組織内の数百~数千の役割に適用しようとすると、多くの企業が今日直面している課題がわかります。このマッピング、定義、分類法の構築が、影響力のあるスキル戦略の前提条件であるというのはよくある間違いです。


企業組織で長期的かつ明確に定義されたスキルエコシステムを計画することは重要な作業ですが、今すぐスキルを構築しようとする誰かの行動を妨げるべきではありません。それが企業組織のアジリティを持つことの意味です。従業員は今スキルを必要としています。未来にできるであろうコンピテンシーモデルを待ちきれません。



Then vs. Now


企業組織のアジリティのカギは、現場のリーダーと従業員が独自のスキル戦略を設定して実行できるように権限を与えることです。


これまで、スキル戦略の定義と推進は主に本社のL&Dチームに委ねられ、主な焦点は様々な役割にわたるスキル定義とマッピングでした。これにより、能力開発よりも多くのドキュメントが作られることがよくありました。ドキュメントには、すべてのスキルとそれらのスキル内の各レベルをカバーする長文のPDFやスライドが含まれますが、実際にそれらのスキルを構築できる場所と方法を明確に示すものではありません。多くのコンピテンシーモデルには、20〜30のスキルが関連付けられており、一度に能力開発するにはあまりに多すぎます。従業員はどこから始めればよいか、どうやって知ることができるのでしょうか?



多くの場合、スキルギャップを最初に認識するのは現場です。現場では市場、従業員、戦略の変化を直接目にします。実際、最新の従業員調査の回答者の85%は、今日のスキルのギャップをすでに認識しているとレポートしています。


現場の人々が、L&Dが現場のすべてのスキルニーズを定義して解決するのを待つのではなく、スキルニーズが発生するとすぐに対処し始められるツールと自信を持つことを想像してみてください。この組織のアジリティにより、従業員は自身のスキルニーズをすばやく特定して評価し、フォーマルトレーニングのために承認してもらうマネージャーやL&Dを必要とせずに自分自身を成長させることができます。



分散化と民主化


スキル戦略を民主化し、マネージャーと従業員がスキル構築の旅をリアルタイムで能力開発し反復できるようにすることで、ラーニングカルチャーの複数要素を改善できます。


アジリティ

マネージャーまたは従業員がスキルギャップを認識している場合、それはすでにビジネスやパフォーマンスの問題を引き起こしている可能性があります。トップダウンの解決策を待たなければならない場合、その痛みは対処されないまま悪化する可能性があります。市場、顧客、テクノロジー、働き方はかつてないほど急速に変化しており、同じように迅速に対応することができるスキル開発が必要です。マネージャーと従業員が、自身のスキルの能力開発の優先順位を設定できることで、リアルタイムで変化に適応することができます。


関連性

各国地域の従業員に必要とされるスキルが優先される場合、日常とのつながりは、すべてを網羅し万能とされるコンピテンシーモデルよりも明確です。スキルがグローバルレベルまたは機能レベルで優先され、従業員やチームの日常業務と関係ない場合、人はそれらの優先順位の重要性を受け入れる可能性が低くなります。


エンゲージメント

Degreedの調査によると、職場での学習に対する上位2つの障壁は、マネージャーの奨励の欠如と、ガイダンスや指示の欠如です。つまり、マネージャーの関わりとガイダンスは、ラーニングエンゲージメントにおいて非常に重要です。


データ

従業員とマネージャーが独自のスキル戦略を設定できるようにすることで、組織に現在不足していると思われるスキルのデータが十分に生成されます。現場の従業員が自身のスキルのニーズを特定できるようにすることで、従業員に必要なスキルをトップダウンで推測するのではなく、コンピテンシーフレームワークとスキルの優先順位を一般的に課題に最も近い現場からクラウドソーシングできます。


スキルに対して分散化されたアプローチを採用することは困難に思えるかもしれませんが、良いニュースとして、Degreedはそのアプローチに対して完全にデザインされており、従業員やマネージャーが自身のスキルの運命を簡単に決められるようになっていることです。Degreedでは、マネージャーはチームスキルの成長を迅速に評価、能力開発、トラッキングしながら、専門分野に秀でた従業員の専門知識を活用してラーニングコンテンツをすばやくキュレーションできます。従業員は個人のスキル目標を設定し、選択したスキルに対して最高のコンテンツ、SME、グループ、オポチュニティを得るために、会社のラーニング&タレントエコシステム全体を探索できます。


これらはすべて、フォーマルなL&Dソリューションがデザイン、構築されるのを待たずに、スキルのニーズが特定された瞬間に開始することができます。Degreedは基本的に、組織内のすべての従業員とマネージャーを、受動的な受信者ではなく、まるでL&Dチームの一部であるかのようにします。また、スキルは組織全体で個人レベル、チームレベルで構築されるので、企業は組織のアジリティを実現できるだけでなく、今のスキルレベルとギャップ、社内SME、最も関連性の高いコンテンツやプロバイダーなど、多くのデータを生み出すことができます。




組織のアジリティに向けた最初のステップ


スキル構築へのこの民主化されたアプローチが、本社のL&D機能の重要性を減少させるかどうかに疑問に思うかもしれません。しかし良いニュースがあります。それは全く逆です。


まず、グローバルL&Dチームは、リーダーシップモデル、コアバリュー、組織全体の戦略的スキルなど、組織全体で一貫して需要のあるスキルの能力開発を引き続き専念します。


しかし、さらに重要なのは、L&Dがこの新しい環境のアーキテクトになり、マネージャーと従業員が自身のスキルの課題に取り組むことができるようになり、そのための権限を与えられることです。新しい目的は、すべての学習問題をL&Dが解決しなければならないとする古いL&Dの方法ではなく、学習に関して「自分で学ぶ」ことを従業員に教え、彼らがスキルを持てるようにすること、そして成功するためのツールを持たせることです。


組織のアジリティに向けたこの幅広いラーニングカルチャーの移行の一環として、本社L&Dチームが焦点を当てることができるいくつかの重要な活動を次に示します。


環境を整える

L&D部門は、マネージャーが自分たちにとって最も重要なスキルの課題に取り組むために自由に使えるツールとプロセスを確実に理解できるようにすることです。Degreedのようなツールは重要な要素ですが、同時に、コンテンツ、データ、その他のリソースへのアクセスを確保することも重要です。


マインドセットを変える

従業員が自身のスキルの問題を解決する権限を与えられていることを認識すると、L&D部門は、スキルのニーズが発生するとすぐに対処するためのテクノロジー、データ、リソースを従業員に提供できます。従業員個人は、解決策を推進し、スキルニーズをビジネス上の課題に直接結び付ける方法を理解しなければなりません。L&D部門は、個人やチームマネージャーが最初にスキル戦略を形成するのを支援するための内部コンサルタントやコーチとして働きかけることです。そして、Degreedの調査では、従業員がそのガイダンスを必要としていることを示唆しています。


社内の成功事例を祝福する

L&D部門は、スキル開発をすでに自ら行っている模範となる人やビジネス領域を見つけて、組織全体でそれらの例を共有することです。優れた事例とサクセスストーリーを社内にマーケティングすることで、イノベーティブで成功しているチームを認識し、報いながら、お互いから学ぶことができます。


点をつなぐ

L&D部門には、同じ課題に焦点を合わせたチームを特定して調整するチャンスがあります。3つの異なる部門が同時にデータ分析スキルを能力開発しようとしている場合、L&D部門は、効率を高め、全体的な品質を向上させるために取り組みを繋げるのに役立つことができます。


より多くの所有権(自分ゴトにする)とエンパワーメントを生み出すために、貴社のラーニングカルチャーを変えるには時間がかかります。


組織全体で新しいアプローチに移行することからではなく、組織の一部だけに特化した集中的な取り組みから始めることもできます。


明確な課題があり、その解決策を自分たちで持ちたいという願望をすでに持っている部門、チーム、マネージャーを特定しましょう。その部門と緊密に連携して、スキルに対するこのアジャイルで権限のあるアプローチを実現します。これにより、社内の他のメンバーを参加させる際に良い事例として役立てることができます。



 

By Ben Cowan, Client Engagement Partner

May 26, 2021

 
bottom of page