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  • 執筆者の写真DISCE

エマージングスキルで将来への攻めの計画を立てる

更新日:2023年11月22日


重要な職務に対する人材ギャップを解消するのは非常に難しい問題です。さらに加速する技術的、経済的変化のペースに対応しようとすると、どのスキルが将来重要になるかを把握することがますます難しくなります。

将来を見据えた人材戦略では、製品開発、サービス開発、現在注目されているビジネスモデルに不可欠な、エマージングスキル(新たに必要なスキル)を考慮する必要があります。

エマージングスキルへの計画


エマージングスキルは将来へのスキルであり、企業の成功にとって最も重要だと考えられています。エマージングスキルはテクノロジーに関することが多く、突然出現することがあるため、企業がエマージングスキルを完全に予想したり計画したりすることは困難です。

エマージングスキルを育成するポイントは過去にこだわらないことです。スキルギャップを埋める従来の方法は、後ろ向きの方法です。エマージングスキルが出現した時にすばやく反応し、スクランブルして迅速に計画を修正します。クリエイティブな企業は、将来を見据えたアプローチでエマージングスキルに対して積極的な攻めの計画を立て、問題が実際に発生する前にスキルギャップを効果的に埋めるという、従来とは逆の行動をとっています。

今話しているエマージングスキルとは、例えば、データマネジメント、Power BI、クラウドコンピューティング、自然言語処理などのスキルです。これらのスキルは今日現在、非常に重要になりましたが、5年前にはまったく予測されていなかったスキルもあります。以下のグラフが示すように、これらのスキルセットの需要は過去1年間で急激に増えているため、これらのスキルを持つベテランの従業員はほとんどいないでしょう。


新しいスキルが出現した時にディスラプションが特に深刻である、通信業、銀行業、製造業、消費者向けメーカーなどの成熟産業の企業にとって、エマージングスキルに遅れるリスクは特に深刻です。

これは、ラーニング部門とタレント部門の責任者が新しい優先順位で考えなければならないことを意味します。企業がその市場が向いている方向に備えるために適切なエマージングスキルを育成するという優先順位を上げるということです。そのためにはエマージングスキルを特定して、習得する必要があります。これは、従来の人材開発戦略の2つの部分からなる問題であり、従来の方法では対処できない場合があります。


エマージングスキルの特定に苦労する理由


エマージングスキルには通常、次の1つ以上の特性があり、人材パイプラインに配置することが困難です。

1. 明確に定義されていない

エマージングスキルの問題点の1つは、不明確であることです。事実や関連情報は、集合研修やフォーマルラーニングプログラムなどの従来の情報源からは入手することはできず、エマージングスキルの関連情報をまとめるだけで数か月、ときには数年かかることがあります。関連情報は主に業務中に参照しているドキュメント、GitHubリポジトリ、オンラインのフォーラムやコミュニティ、初めてスキルを使った人の頭の中に存在しています。


2. 新卒者だけでは足りない

技術的スキルのパイプラインの通常の出発点は大学院や研究機関などの高等教育です。しかし、エマージングスキルに関して言えば、教育機関のプログラムでの対応は難しく、変化は遅いのです。エマージングスキルの特定と育成に関しての教育機関プログラムは、企業よりも困難を伴います。さらに、人材を獲得しようとする需要は、教育機関が供給できる人材数よりも高いことがよくあります。

そのためエマージングスキルを育成するには、従来の方法ではない非伝統的なアプローチが必要となります。プログラミング・コーディングでは、非認定の「ブートキャンプ」がブームになりました。高卒者や大卒者は3か月~6か月のコースを受けるために、5,000ドル~25,000ドルまで費用を払うほどの意欲があります。多くの場合、これらのブートキャンプはエントリーレベル業務の代わりの出発点になりつつあります。

3. エマージングスキルは複数のスキルセット

労働市場情報を提供機関Burning Glassは「典型的なパッケージではないスキルセット」要件を伴う25万人以上の雇用があるとレポートしています。「典型的なパッケージではないスキルセット」とは、例えばデータサイエンティストは、分析数学者であり、かつコンピュータープログラマーである必要があります。これらのハイブリッドな職種はより一般的になっています。問題なのは、これらの新しい横断的な専門スキルを構築するには時間がかかることです。

4. エマージングスキルはより速く進化する

過去においてキャリアは、企業に就職し、職位を上げるために働き、約30年後に退職することを意味していました。

今日の仕事の在り方は少し異なります。生涯のキャリア期間は30〜40年長くなり、在職期間は短くなり、あるスキルが通用する期間は短くなります。LinkedInのWorkplace Learning Reportに基づくと、スキルの平均通用期間は5年です。これは、特にエマージングスキルに当てはまります。


これらのスキルを先取りし、攻めの戦略を進めるためには、多くの出発点があります。プロセスは通常、企業組織の重要なエマージングスキルに関する情報を収集するための調査から始まります。以下は、スタートするためのアイデアです。

  • ラインマネージャーに、採用する際に求人者に求めるスキルを尋ねます。

  • ある職種のベストパフォーマーと話し合い、彼らにとってどのスキルが重要なのかを尋ねます。

  • 現在および将来進めるプロジェクトの要因である会社の目標に立ち戻ります。またこれらのプロジェクトを達成するにはどのようなスキルが必要なのかを特定します。

  • 企業組織全体で同じスキルが必要なのか、それとも特定のサブグループを対象とし、それらのチームでエマージングスキルを高める必要があるのかを特定します。

  • 複数の異なるチームが共有すべきコアスキルは何かを特定します。これらのスキルを成長させることで、従業員はチーム間でよりクロスファンクションに業務ができます。

上記のアイデアは、ある程度の作業が必要ですが、この調査を行うと、重要な洞察とパターンが明らかになります。このタスクを自動化し、従業員のスキルを追跡し、能力開発するためのアップスキリングソリューションにより、リアルタイムでエマージングスキルを特定できます。

企業組織でエマージングスキルを育成する方法の詳細については、最新のInnovator’s Guide to Emerging Skillsをダウンロードしてください。


日本語版はディーシェにお問い合わせください

 

By Isabella Lazzareschi, Content And Managing Editor

June 9, 2020

 
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